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GOOD MORNING 学園長!

第28話 Oil Painting の翻訳で思うこと

昨年の夏頃から、1860年代に英国で出版された油絵の描き方に関する専門書二冊の翻訳に取り組み、一昨日その中の一冊の翻訳をようやく終えて、ほっとしつつふり返っているところです。1860年代と言えば、日本は江戸幕府の崩壊と明治維新の動乱期に当たります。当時の日本の書き言葉は、漱石や鴎外や一葉を読めば分かるように、中国の表記法である漢文と日本の表記法であるカタカナを組み合わせた「和漢混淆文」です。もちろん、この表記法は、表記する前提、即ち伝えたい概念の特定、があっての表記法ですが、この表記された表記語をいくら追究し、翻訳しようとしても、表記する前提である「伝えたいこと」が特定できない、あるいは特定が困難であることが実に多いのです。これはなぜなんだろう? 皆さんに問題を提起しておきましょう。もう一言いいますと、上に述べた、「和漢混淆文」は現在使われていない表記法です。つまり、たったの100年そこらで、われわれ日本人の考えるための、思考の道具である言葉の表現やその表記法がすっかり変化してしまい、過去の表記法は、ほとんどが死んでしまっているのです。ところがどうでしょう!!英語の表記法には、全くと言ってもいいほどほとんど変化がないのです。つまり、19世紀の書物も、21世紀の書物も同じ表記法なのです。この度、17世紀に生きたシエクスピアの翻訳の機会を得ましたので、私は心密かに楽しみにしているところです。まとめますと、強固で、確固とした「尺度」を求めようとしない文化には、未来の明るい発展など期待できる訳がないと言うことです。押忍!!

それでは、Good bye!