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GOOD MORNING 学園長!

第29話 翻訳における表現法と文化の壁

翻訳は、本来異文化間の意思の伝達方法ですが、言語は文化の一つのエキスともいえるものですから、たとえうまく翻訳できたと思ってもその訳文を読んだ人が”何か変だ”と思うことがあり得る、ということです。その”変だ”と思う現象は、いくつかの場面で現れます。その一つに、アメリカに長期滞在している日本人が、英文の書物に接したときにも起こりうる現象です。つまり、ほとんどの英文の本や雑誌類を自由に読むことができるのに、時々、人によってはしばしば、何度読んでも理解できないところが必ずある、という反面日本人、言い換えると自分と同じ文化を持つ人、の書いた文章の英語への訳本を読むと理解できないところは何一つない、と言う現象です。しかも、この現象は、日常生活の英会話の中では起こらないのです。海外生活を経験する日本人が増える中で、このような経験が、無意識のうちに異文化へのカルチャーショック、自信喪失、ホームシック、過剰なほどの異文化への評価、異文化と自国文化への無理解、の一つの原因になっているのではないかとも思います。さて、前置きはいいとして,その”変”の原因は何か、と言うことです。思うに「文化による思考法、言い換えると論理の組み立て方」の違いから生まれる、避けられない現象であると思います。この考え方は、小さくは翻訳家の値打ちに関わり、大きくは文化の持つ特徴と結びつくのです。

それでは、Good bye!