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GOOD MORNING 学園長!

第50話 痒いところに手が届く

日本の幼稚園から大学までの教育内容とその運営は、子供に教育を受けさせる義務(憲法第26条第2項)を負うている子供の親権者である両親の意思に配慮して行われているといってよいと思う(憲法第26条第2項の適用は義務教育の範囲ではあるが)。そのことから、われわれ日本人は、教育現場に義務者である親の意見が反映され、子供の教育が子供・教師・親という三当事者によって理想的な形でおこなわれていると考えているのであろう。しかし、歴史を振り返ってみると分かることであるが、又振り返らずとも現代史の中でもいえることではあるが、いつの間にか帝国議会の中に大政翼賛会が形成され、いつの間にか治安維持法が制定され、またいつの間にか憲法第9条の戦争放棄を無視して自衛隊の海外派兵をし、いつの間にか憲法改正の国民投票法を制定した歴史をわれわれは持っている。帝国議会や国会の何らかの議決によって、「国民の意思」という名の下で、決議し制定したのである。では、その議決や制定に「国民のどんな意思」が反映されているというのであろうか。このことから分かるように、今の教育現場は、子供・教師・親という三者の意思が反映されているということで民主的な教育環境が整っていると安易に考えることはできません。親の要求は、一人の子供の人間教育ではなく、暗記詰め込みによる全員均一の偏差値教育であり、そして教師の教育方針は、その親の要求を基本的に肯定しているのです。もし教師が親の教育に対する考え方を否定するようなことをすれば、学校運営そのものがなり立たないし(生徒が来なくなる)、またその親の考え方そのものを教師は一人の日本人の親として自らが肯定しているからです。このように、「子供の教育とは何か」という教育の根本を十分に議論せずに、「親の背中の痒いところに手が届く」式に学校教育が行われているところに、日本の教育の未来に闇があるのです。

それでは、Good bye!