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GOOD MORNING 学園長!

第66話 禁煙快楽(その九)

第61話で指摘した「禁断症状」に対する「主体的経験」とは具体的に何か、について述べたいと思います。それは、一言で言うと喫煙という「気持ちのいい快楽」から「禁煙」によって襲われる強度の「苦しい感」に至るまでのプロセスを「主体的に」繰り返すことなのです。
この禁断という神経細胞に対する負荷は、「精神の集中」の場合の負荷とは異なり、喫煙しないという不作為の「消極的な負荷」であるため実に即座に実行できるものです。
しかし、精神の集中による負荷は快楽と苦痛とが同一の作為上にある神経細胞に対する「積極的負荷」に対して、「禁断症状」の場合は、入口が喫煙という作為による積極的負荷で、出口が禁煙という不作為による消極的負荷である点で,入口の方が更なる強い苦痛を求めて「積極的負荷」を神経細胞に課さねばならず、その意味では、出口よりも遙かに強い「主体的経験」を必要とします。
ところが、出口の「禁断症状」の場合は、単に不作為を継続させるだけで、時間の経過に伴ってますます強い苦痛を神経細胞に課すことができるのです。更に、入口と異なって、強い苦痛へのプロセスは、科学的な思考の下にある「精神の集中とその持続」という実に健全にして時間の掛かるものではなく、正に「直ちに」とでもいえるほど短時間のうちにたどり着けるのです。 その原因は、当然のことながら有害物質である「ニコチン」の作用によるものです。
つまり、この短時間に訪れる「強い苦痛」を神経細胞に繰り返し課すことによって、脳内の神経細胞が拒絶反応から受容反応へとスイッチが切り替わり、禁断による刺激を「強い苦痛」から「オルガスムス的快楽」(マゾヒスティック快楽と呼んでもよい)へと大きく転換するのです。

それでは、Good bye!