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GOOD MORNING 学園長!

第75話 電信電話、衛星などマス・メディアによる学習の落とし穴

放送大学での現実が示しているように、いくら高価な映像と音声の設備を整えても、「メディアを経た情報は人間の脳に定着しにくい」と、私は思っている。従って、受講生の多くがほどほどの出席で、使用テキストのみを読んで単位を修得しているという、この放送大学の現実は、理解できるところである。また、単位修得の容易さが、この厳しい現実社会での資格取得のために、放送大学が利用されている理由でもある。
要するに、操るのに相当厄介な人間の「頭脳」には、所詮「機械仕掛けのハイテク教育」も、利用の仕方次第では役には立つとも言えるが、基本的にはほとんど役に立たないと言うことでもある。
そこで、 私は、情報が脳に定着するためには、人間に次のような「思考プロセス」があるのではないか、と思っている。
1人1人の人間には、それぞれの「思考プロセス」というものがあって、そのプロセスは他人とは異なった「思考ペースと思考サイクル」をもっている。
また、その「思考プロセス」には、その前提として、その人特有の情報に対する「志向」があり、その「志向」によって情報を選別し、そして受容された情報を脳はこの「思考プロセス」に取り込むのである。
取り込まれた情報は、その人特有の 「ペースとサイクル」の中で切り刻まれ、幾重にもこね回されて、その人にとって一つの知識として脳に定着する。
このようにして、取り込まれ貯えられた知識が脳内で融合され一つの生き方、すなわち普遍的な考え方=哲学が生まれるのではないかと・・・。
もう一点、放送メディアについて述べると、受講生の目の前にある「映像と音声」のスイッチを切った途端に、人間の脳も貯えた全ての情報を「消去」するのではないかということである。
「消去」されることはないにしても、デリケートな人間の脳の働きによって、「消去」されるに近い現象、すなわち「思考を必要とする情報を、無意識のうちに拒絶している」という現象の結果が、上記の放送大学で見たような、単位修得のためだけの大学生という現象の一つの根拠となるのではないかと考えている。つまり、人間が思考するには、上記した「一定の条件」が必要不可欠となるのである。
そうだとすれば、日本の教育の中で利用されている「放送メディアによる教育方法」には、実に有益な側面がある反面、むしろ無批判的に取り入れている現実には、重大な問題点があるということになる。

それでは、Good bye!