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GOOD MORNING 学園長!

第91話 過去の栄光へのトラウマ

人は誰であっても、向上心があるなら、自分の「学力不足」に悩んでいることは言うまでもないことです。私の仕事柄、一人前の社会人になるまでの比較的若い世代、たとえば高校生や高卒浪人生、大学・短大・専門学校生、それに結構若い社会人が、入試とか単位取得とか、国家試験や各種の資格取得とかの壁にぶつかり、己の「学力不足」に悩む、その彼らの悩みの相談を受けるのです。
そのとき、若者たちが選択する悩みの主要な解決法の一つが、”己の過去の栄光”、すなわちある者は小学校の時、ある者は中学校の時、さらにある者は高校の時の、自分の学力の向上に関わってきた人たち、たとえば学校や塾の先生、あるいは家庭教師などによる高い評価と、入試や資格試験などの合格という正に「その栄光の時点」に立ち戻って、その栄光を頭の中で幾度となく確認し、そしてその時点から再び己の人生をリセットするかしないかの悲痛な決断という選択なのです。
この決断の結果がどのようになるかは、言うまでもありません。己の「努力の無さ」を反省して人生をリセットし、同じ来た道を再び歩き始めるか、あるいは諦めて己の人生を変えるか(人生を変えることはそもそもできないとは思いますが)、捨てるかするのです。
私はそのとき何度も言うのです。「あなたの思っている学力は、本質的には記憶力のことであって、本当の学力ではない。だから、学力不足で悩む必要などちっともない。」、「学問の真理は、未熟で非専門的な教師によるいい加減な教科書解説によって得られるものではなく、己による地道な調査と実験、それに哲学によって近づくもの。あなたはまだそのような経験と努力を一度もしていないではないか?」、「過去の栄光に救いを求め、再び上で述べたような記憶力重視の受験産業の餌食になるのは止めなさい。回復できない心の病へ行き着く羽目になってしまいますよ!!」、「自分を肯定し、自分を信頼し、自分を客観視し、そして自分の本当の無知を知り、ある意味で全てのものを疑いながら自分の体を使って、自分の手を使って一歩一歩闇を切り開くこと。」、これしかないのです。私は微力ながらそのお手伝いをしているに過ぎないのです。

それでは、Good bye!